
つまずくとつまづく、どっちを書けば正解なんだろう?
「つまずく」と「つまづく」、どちらが正しいのか迷ってしまうことがあります。漢字で書くと「躓く」ですが、実はどちらで試しても同じ漢字に変換されるのです。
- 「つまずく → 躓く」
- 「つまづく → 躓く」
つまずくとつまづくどちらが正しいのでしょうか。
- 「つまずく」が正しいということ
- なぜ「つまづく」が使われているのか
- 「躓く」の語源
正解は「つまずく」
正解はつまずくです。なぜつまずくが正しいのか理由は次の章で説明します。
つまづくでも不正解というわけではないのですが、容認という形なので正式に使用される方はつまずくになります。
「つまずく」が正しい理由
早速ですが「つまずく」が正しい理由を見てみましょう。
文化庁が公開している現代仮名遣い 本文 第2(表記の慣習による特例)にそれについての記載があります。
次のような語については,現代語の意識では一般に二語に分解しにくいもの等として,それぞれ「じ」「ず」を用いて書くことを本則とし,「せかいぢゅう」「いなづま」のように「ぢ」「づ」を用いて書くこともできるものとする。
例 せかいじゅう(世界中)
参考 : 文化庁 | 現代仮名遣い 本文 第2(表記の慣習による特例)
いなずま(稲妻) かたず(固唾) きずな(絆*) さかずき(杯) ときわず ほおずき みみずく
うなずく おとずれる(訪) かしずく つまずく ぬかずく ひざまずく
この中にはっきり「つまずく」とすると書かれています。上記に該当する単語の場合「じ」・「ず」どちらかを用いるのが正解なのです。
なお、「ぢ」・「づ」で書いても良いとされています。つまり「つまづく」は正確には正しいとは言いきれないものの、容認というかたちで用いることができるということです。
現代仮名遣い
現代仮名遣い(げんだいかなづかい)は、1946年11月に公布された現代かなづかいを1986年7月1日に改定したものです。
現代仮名遣いの対義語としても使われている言葉で、歴史的仮名遣いがあります。これは江戸時代の言葉を元に用いられたもので、明治時代から戦前まで日本で使われていた仮名遣いです。
今でもこの歴史的仮名遣いを支持する人がいるようで、例えば以下のように表記されるのが歴史的仮名遣いです。
- 「思う→思ふ」
- 「言う→言ふ」
- 「わかった→わかつた」
- 「まっくら→まつくら」
たまに見る機会がありますが、私たちにとってあまり馴染みのない「い→ゐ」や「え→ゑ」も歴史的仮名遣いになります。
「つまずく」2つの意味
つまずくには2つの意味があります。1つ目は、歩いているときに石や段差にぶつかって前によろけてしまうという意味。転びそうになるということです。
2つ目は勉強やビジネスをしているときに、思わぬ障害につきあたって行き詰まってしまうという意味です。
これについては普段使いで使い分けている人も多いかと思います。物理的なつまずくと、物事を失敗するという2つの意味があるということですね。
「躓く」の語源


躓くの語源は、爪突くです。爪を突く(つめをつく) → 爪が障害物に突きあたって体が前によろけるという意味になります。
爪突くという漢字であれば「つめをつく」のですから、そこに濁点をつけてつまづくと書くほうが正しい気もしますが、現在は躓くという漢字を書くのが一般的なのでこういった意味でもつまずくと書くのが正しいということになります。
まとめ
最後にまとめです。
「つまづく」でも間違いではないのですが、正式に使用される方は「つまずく」です。
他にも「せざるをえない」「せざるおえない」だったり、「使いずらい」や「使いづらい」がありますが、この場合「使いづらい」が正解です。「使う」のが「つらい」のですからそこに濁音をつけて使いづらいと覚えておくとわかりやすいです。
このように仮名遣いについてわからない場合は、前述した現代仮名遣いを参考にするか漢字の読み方からの成り立ちを考えるといいでしょう。
他にもことば系の関連した記事があります。
「もっと知っておきたい」という方は、是非そちらの記事も読んでみてください。
最後までありがとうございました。
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