最近何かと話題の格安SIM。MVNOという言葉もそれに合わせてよく耳にしますよね。
3大キャリアから格安SIMに移行する場合、SMSオプションを付けるか付けないかをどうするか迷うところですね。格安SIMにSMS機能は必要あるのでしょうか?
▼目次
photo by Johan Larsson
「音声通話SIM」と「データ通信SIM」
音声通話SIMやデータ通信SIMについて解説する前に、まずはSIMカードについてざっくりと見ていきましょう。
SIMカード
携帯電話にはSIMカードがあります。SIMカードは大きさによって3種類あり「標準SIM」「micro SIM」「nano SIM」となります。
SIMカードの大きさ
- 「大」標準SIM
- 「中」micro SIM
- 「小」nano SIM
試しにAndroidの裏面を開けてみたら、小さいSIMカードが出てきました。差し込み口にnanoと書いてあったのでおそらくこれがnano SIMなのでしょう。
▼USBメモリと大きさを比較
どちらがいいかというと小さいnano SIMが一番良いとのことです。差し込み口が大きい場合はこのように外枠をはめれば装着できるので、SIMが小さい方が互換性に優れているというわけです。
「SIMロック」と「SIMフリー」
SIMロックは3大キャリア (docomo、ソフトバンク、au) によって制限されているもので、たとえSIMカードを差し込んだとしても別のキャリアでの使用ができないというものです。
2015年に「SIMロック解除の義務化」が開始され、以前はキャリアのSIMロックを解除できなかったのがユーザーが希望すれば解除できるように変更されました。
このように、SIMロックの解除によりキャリアの制限がないことをSIMフリーといいます。日本ではこのような経緯がありますが、そもそも海外ではSIMフリーが一般的でした。それが日本もSIMフリー化したことでユーザーが制限なく自由に好きなキャリアやMVNOを選べるようになりました。
また、ユーザーが自由に選べるようになったことで市場全体で競争が生じ、結果的にサービスの価格が安くなっていくという効果が今後期待されています。
格安SIMの種類
格安SIMには大きく分けて2種類、「音声通話対応SIM」「データ通信SIM」があります。
「音声通話対応SIM」が070/ 080/ 090の番号が付与されている格安SIMです。キャリアからMNPという電話番号を変えずに移行するという場合はこちらの種類を選択します。
「データ通信SIM」は070/ 080/ 090の番号が付与されない、データ通信のみの格安SIMサービスです。ネットのみの使用でいいという場合はこちらの利用がおすすめです。
「データ通信SIM」を利用しているユーザーが電話番号を取得したいという場合は050plusやSMARTalkといったIP電話アプリを利用することで電話番号を取得することができます。この場合は、070/ 080/ 090の番号ではありませんが頭に050が付与される番号を取得して利用することができます。
IP電話アプリは月額利用料0円~500円ほどという格安な利用料で使用することができますが、格安SIMの音声通話に比べると通話品質が劣ってしまいますし、110/ 118/ 119などの緊急通報やフリーダイヤルが使用できないという特徴を持ちます。
SMS / ショートメッセージサービス
また、「データ通信SIM」でもMVNOによってはSMSオプションが付いてるものもあるようです。
以前、SMSについて触れた記事があります。どんな技術なのか見てみましょう。
SMS (Short Message Service / ショートメッセージサービス) というのは、メールアドレスがわからない相手でも電話番号に向けておよそ70文字のメッセージが送れるというサービスです。
au、ドコモ、ソフトバンクの3大キャリア、Y!mobileなどのが提供していてauの場合はCメールという名称になります。送信する時のみ料金がかかり一通当たり約3円かかります。ちなみにパケット通信を使っていないので通話料金の方に加算されるようです。SMSの歴史
SMSの歴史を簡単に振り返ってみましょう。SMSは1984年に「テキストメッセージの父」と呼ばれたフィンランド人のマッテイ・マッコネン氏 (Matti Makkonen – 1952年~2015年) によって発案されます。余談ですがマッコネン氏は特許が取れるという事を知らなかったため、SMSの発案によって一切収益を得ていないようです。現在でも世界的に使われているサービスになりますが、日本では今となっては懐かしいPHSのサービスとして1996年4月から開始されました。その後に続いて1997年6月に携帯電話でもSMSサービスが開始されます。
今となってはキャリア間の別キャリアへのSMS送信は出来ますが、出来るようになったのは約5年前からです。2011年7月13日よりそれまで同キャリアでしか送る事が出来ず、別キャリアには送れなかったSMSがキャリア間で自由に送れるようになりました。
ちなみに日本ではSMSと言えば電話番号しかわからない相手に送ったり、着信があった相手にメッセージを送っておくという使われ方が多いと思われますが、海外ではSMSを使ったやり取りははわりと主流なサービスになっているようです。
2011年までは同キャリア間しか送れなかったのでそのイメージもあるかもしれません。やはり以前からキャリア間関係なしに送る事が出来るメールアドレスを使ったメッセージのやり取りの方が主流になっている印象です。
SMS機能は、今では懐かしいあのPHSから使われるようになったサービスなんですね。SMSは相手のメールアドレスを知らなくても電話番号を知っていればその電話番号宛てにSMSとしてメールを送れることができるので、利便性が良い機能として普及しました。
世界の枠で見ればまだまだSMS機能はよく使われているようですが、日本ではそのような機能にかわりLINEといったコミニュケーションアプリが普及しているように思えます。
SMS機能を利用したいというユーザーはメールなどのコミニュケーション目的ではなく、WEBサービスやアプリを使う上での本人確認としての認証機能として利用するのでしょう。
SMSが必要な場合の理由
格安SIMであってもLINEやSkype、Gmailなどのアプリを利用すれば十分かのように思えます。格安SIMでSMSの機能付きとなるとSMSが付いてないものに比べて月に余分にかかってしまいます。だいたい+で毎月150円前後が相場のようです。
格安SIMにSMSオプションが必要だという場合、どんな理由があるのか見てみましょう。
SMS認証
SMS認証があります。SMS認証を行う場合がある主なアプリに「YouTube」「LINE」「Dropbox」があります!他にもネットバンクやオンラインゲームなど様々なWEBサービスでSMS認証をする必要がある場面に出くわします。
格安SIMにSMS機能を付けないといった場合に最も困ってしまうのがこれじゃないのかなと思います。
SMSを付けていない場合でどうしてもSMS認証をしたい場合どうしたらいいものかと困ってしまいますよね。このような方法もあるようです!
参考: 「textPlusの改良版・Nextplus」 電話番号を持っていない場合でもSMS認証する方法!
セルスタンバイ問題
格安SIMにSMS機能を付けていないと、セルスタンバイ問題を起こしてしまう可能性があります。
携帯電話は電話回線につながっている前提で作られています。電話回線の電波をずっと探している状態のためバッテリーの消耗が激しくなってしまう現象の事をセルスタンバイ問題というようです。
SMS機能なしのSIMを使用していると、セルスタンバイ問題の状態になってしまう場合があるようです。対策のためにはSMS機能を付ける必要があります。
セルスタンバイを確認
Androidから確認する方法です。機種の種類によって違うかと思いますがだいたい似ているような項目でしょう。
「設定」→「一般」→「バッテリー」→「バッテリー消費量」と選択します。ここにセルスタンバイとありましたね。
これが100%に近い程バッテリーを消耗しているということです。今回は日頃から完全Wi-Fi運用しているAndroid端末で確認していますが、この場合46%もセルスタンバイによって消耗していることになります。
LTE問題
LTEにつながらない、もしくは通信速度が遅い。といったことになる可能性もあります。
まとめ
最後にまとめとして、今回検証してみた結果を当サイトなりにジャッジしたいと思います。人によって賛否が分かれるところだと思いますが、格安SIMにSMSオプションは必要です。
SMSがなくても認証ができる方法はあるみたいですが、やはり「セルフスタンバイ問題」が気になってしまいますね。バッテリーの劣化が進んでしまいますしこれが一番のネックと言えるかもしれません。
また、SMSで認証するためにSMS機能が必要というのもあります。SMSオプションはほとんどの格安SIMで毎月120円~150円で年間で1500円ほどになってしまいますが、このような理由からSMS機能がないよりはあった方がいいといえるでしょう。
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