「~ざるを得ない」「~ざる負えない」の使い分け、どちらが正しいのか迷ってしまうことありますよね。
- 「せざるを得ない(せざるをえない)」
- 「せざる負えない(せざるおえない)」
「を」と「お」。
発音を聞くだけではどちらが正しいか明確に区別できず、間違える可能性があるかもしれません。
そうならないためにも、このような基本はしっかりおさえておきたいところ。
正解を先に言います。正解は「せざるを得ない」です。
「せざるを得ない」は他に選択肢がなく、ある物事をしないわけにはいかない状況という意味になります。
「せざる負えない」は誤変換です。
本文では、品詞分解という「せざるを得ない」を5つに分解する方法も解説します。
それでは、さっそく始めていきましょう。
「せざるを得ない」が正しい
正解は「せざるをえない」です。品詞を分解すると「せざる+を+えない」で、漢字では「せざるを得ない」と書きます。
「せざる負えない」は誤変換
また、「せざる負えない」「せざる終えない」は誤変換です。PCやスマホで誤って変換してしまってそれが正しい使い方という認識が一部で広まったのでしょう。
これは間違えないように注意する必要があります。
「~ざるを得ない」の意味
「せざるを得ない」が正しい理由は、「~ざるを得ない」という接続の動詞で見ればスッと理解できます。
「事情があって ~しなければならない」「しないわけにはいかない」「やむをえずすること」という意味です。
実際に使用するときはせざるをえないだけでなく、このように「ざるを得ない」の前にその場面に応じた内容の語句が入ります。
- 言わざるを得ない
- 考えざるをえない
- 感じざるをえない
- 認めざるをえない
- 頼らざるをえない
「~ざるを得ない」はどちらかというと固い言葉のイメージがあるので、日常会話の中では頻繁に使う場面はないかもしれません。それ以外にも「~ざるをえない」を使う場面を探してみるとわりと多くあることがわかります。
このような言葉の意味を改めて調べる機会はあまりないかと思います。ですが、私たちがだいたいこんな意味だろうなと思っている認識で間違いがないと言えるでしょう。
例えば「認めざるをえない」であれば結果的に「認める」ということになりますが、その過程で「正直、認めたくはないが認めるしかない」「やむを得ずに認める」という心情も言葉の中に込められていることが読み取れます。
「せざるを得ない」を品詞分解

「せざるを得ない」は短い言葉ですが5つに分解することができます。
- 「せ」 … するの未然形
- 「ざる」… 打消し
- 「を」 … 助詞
- 「得」 … 得る
- 「ない」… 打消し
5つの細かい品詞が集まって1つの言葉になってるわけですね。
また、単語を入力するだけで品詞分解できるWEBツールもあります。調べ事で必要だったり気になる方は、無料で利用できますので利用してみるといいでしょう。
まとめ
最後にまとめです。
正しい言い回しは「せざるをえない」です。これは知っている人にとっては「そんなことは当たり前」だと思うでしょう。
しかし「せざるを得ない」の意味から知っておくことで、とっさに聞かれたときや文章で書くときに迷わず正しく使うことができます。余談ですが、たまにテレビの字幕などで「せざるおえない」という間違った使い方がされていることも。
また、似ているケースで「つまずく」「つまづく」といった私たちが普段意識しないことですが、どっちが正しいのだろうと迷ってしまいそうな単語が他にもあります。

英語の学習をすることももちろん大事なことですが、その前に日本語です。日本語の知識を正しくしっかり覚えてスキルアップにつなげましょう。