SEO対策をするのなら、絶対に外せないのがページの高速化です。
2023年現在、ページ速度において重要な最新指標にLCPがあります。
これはページの読み込みまでの速度が2.5秒以内なら「良好」。4秒以内が「改善が必要」4秒を超えると「不良」という判断で、早急な改善をしなければ検索順位が下がる可能性があるというものです。
数年前は1秒以内が望ましいとされていましたから、ひと昔前に比べるとページ速度の重要度はゆるくなりました。
とは言え、ある程度のページ速度が求められますし、ページを高速化することでユーザービリティが改善されユーザーの離脱が減少。結果SEO的な評価も上がります。そのことから、読み込みが速いことに越したことはないと言えるでしょう。
Webページの速度を改善&高速化させる方法はいくつかあります。
- 速いレンタルサーバーに変える
- 速いWordPressテーマに変える(国内最速はSWELL)
- 不要なJavaScriptを削減する
- リビジョンを削除する
- 画像をWebPにする
- PHPバージョンを上げる
その方法のうちの1つが、できるだけ最新のPHPバージョンにアップデートするということです。
PHPを最新バージョンにするだけでPageSpeed Insights測定の表示速度を改善することができます。
ですが、WordPressのテーマやプラグインとの互換性がないと不具合の元になってしまいます。
そのようなことから、今回はPHPのバージョンアップさせる際のWordPressとの互換性を確認するための厳選プラグインを紹介していきます。
それでは、さっそく始めていきましょう。
PHP(ピーエイチピー)とは
まずはPHPとは一体何なのか、という説明からしたいと思います。
PHPは動的なコンテンツ制作向きのプログラミング言語です。主にアプリ開発やSNS、ブロガー御用達のWordPressにも使われています。静的なHTMLと組み合わせて使います。
以下にPHPでできることをまとめました。ご覧の通り、Web上の動的なプラグラムは一通りできることがわかります。
- SNSの制作
- 掲示板の制作
- 検索機能の制作
- ECサイトの制作
- ログイン機能の制作
- 様々なAPIとの連携
- ブラウザゲームの制作
- お問い合わせフォームの制作
- WordPressのテーマやプラグインの制作
同じ動的なプログラミング言語にJavaScript(ジャバスクリプト)がありますが、両者の違いは明確です。
Javascriptはブラウザ上で動作し、PHPはサーバー上で動作します。
そのことから、WordPressに組み込まれたPHPのバージョンをアップデートするには、使用するレンタルサーバーからアップデートする必要があるわけです。
PHPバージョンとページ速度の関係

PHPはバージョンが上がる度に処理速度が高速化されるのが一般的です。
同じバージョンでも使用するレンタルサーバーの性能によって速度が変わってきますが、PHP5系からPHP7系にすることで処理速度が2~3倍に向上すると言われています。
さらにPHP7系からPHP8系することで、パフォーマンスが向上し爆速になるという結果も出ています。
参考 : PHP 7.2、7.3、7.4、8.0、8.1のベンチマーク(2022年) | Kinsta – PHP8のJITを有効にして、PHP7と速度比較する | Fusic Tech Blog
テーマやプラグインとの相互性があれば、PHP8.0よりPHP8.1の方が高パフォーマンスが期待できると言えます。
2023年現在のPHPバージョン
2023年5月現在のPHP最新バージョンはPHP8.2です。
とは言え、ほとんどのレンタルサーバーがPHP8.1までに対応していてPHP7.4が推奨という状況。最新バージョンをそのまま使うとエラーになってしまいますから、WordPressテーマやプラグインの相互性がPHPバージョンに追いつくまでに少し時間がかかるのです。
バージョン | リリース日 | サポート終了 |
---|---|---|
PHP8.2 | 2022年12月8日 | 2025年12月8日 |
PHP8.1 | 2021年11月25日 | 2024年11月25日 |
PHP8.0 | 2020年11月26日 | 2023年11月26日 |
PHP7.4 | 2019年11月28日 | すでに終了 |
PHP7.3 | 2018年12月6日 | すでに終了 |
PHP7.2 | 2017年11月30日 | すでに終了 |
WordPressのテーマやプラグインはPHPで動作しますから、ページ速度やセキュリティ面を考えて適切なPHPのバージョンにする必要があります。
PHPバージョンを確認する方法
自身が使うブログのPHPバージョンを確認する方法は3つありますが、手っ取り早いのが「レンタルサーバーから確認」と「WordPress管理画面から確認」です。
- レンタルサーバーから確認
- WordPress管理画面から確認
- phpinfoから確認
それでは、その2つから確認する方法を見てみましょう。
レンタルサーバーから確認
まずは当ブログが使用するレンタルサーバー「wpX Speed」から確認です。
使用するレンタルサーバーによって操作が違いますが、通常管理画面から確認できるので確認してみましょう。
Wpx Speed管理画面にログインしたら「インストール済みWordPess一覧」→「設定」を選択。

下までスクロールし「PHPバージョン切替」から「設定する」を選択。

ここで現在使用しているPHPバージョンを確認することができます。


ここからバージョンの切り替えもできるね!
WordPress管理画面から確認
続いてWordPressからのPHPバージョン確認方法です。
まずはWordPress管理画面にログイン。
左メニュー「ツール」から「サイトヘルス」を選択。


「情報」を選択し「サーバー」のプルダウンの中から現在使用するPHPバージョンを確認することができます。


PHPバージョンを最新にするメリット・デメリット
ここでPHPバージョン最新に更新するメリット・デメリットを見てみましょう。
以下に3つのメリットそして、1つのデメリットがあります。
3つのメリット
まずは3つのメリットです。
- セキュリティ面の向上
- 検索上位が期待できる
- WordPress最新バージョンに対応できる
セキュリティ面の向上
PHPがバージョンアップを重ねるごとにセキュリティ面の問題を修正をしていますから、最新バージョンにすることでセキュリティ強化とパフォーマンスを向上させることができます。
また、バージョンリリースから3年でサポートが終了してしまいます。
これはサポート終了後になんらかのセキュリティの問題が発生しても、修正が行われないということです。
最新バージョンにすることで、サポート終了の影響を受けずに安心・安全に使用することができます。



2023年現在の推奨バージョンはPHP7.4だね!でもサポートは終了しています。
安全に使うには、Windowsとの相互性を確認しながらPHP8系列にアップデートする必要があるワン!
検索上位が期待できる
PHPのバージョンは、新しければ新しいほど処理速度が速くなるのが一般的です。
Googleが公表しているSEO対策の指標に「Core Web VitalsのLCP」と「Googleが掲げる10の事実」があります。
以下の通り、ページの読み込み速度は遅いより速い方がいいのです。
- Googleが掲げる10の事実「遅いより速いほうがいい。」
- LCP(ページ速度/Largest Contentful Paint)「2.5秒以内が「良好」。4秒以内が「改善が必要」4秒を超えると「不良」
これは一昔前の【ページの読み込み速度は1秒が好ましい】という基準よりやや緩くなりましたが、現在でもSEO対策においてページ高速化は有効な手段だということの証明です。
ページを高速化することでGoogleの評価は上がる可能性がありますし、ユーザービリティが向上して離脱率が減ります。その結果、Google検索において検索上位が期待できるわけです。
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WordPress最新バージョンに対応できる
PHPバージョンはWordPress本体のバージョンと対応している必要があります。
WordPressバージョンは、リリース後すぐに最新にすることが一般的ですから、PHPバージョンも最新にすることでエラーや不具合を回避することができます。
以下がWordPressバージョンとPHPバージョンの対応一覧表です。
WordPressバージョン | リリース日 | PHP動作バージョン | PHP推奨バージョン |
---|---|---|---|
6.2 | 2023年3月30日 | 5.9~8.2 7.4以上 | 7.4以上 |
6.1~6.1.1 | 2022年11月15日~2023年1月6日 | 5.9~8.2 7.4以上 | 7.4以上 |
6.0~6.0.3 | 2022年7月1日~2022年12月20日 | 5.9~8.2 7.4以上 | 7.4以上 |
5.9~5.9.5 | 2022年2月18日~2022年12月20日 | 5.9~8.2 7.4以上 | 7.4以上 |
最新のWordPressバージョンであれば、推奨のPHPバージョンは7.4。最新のPHP8.2まで動作させることが可能です。
このようにWordPress本体はPHP8.2まで対応しています。
エラーや不具合になってしまう原因は、テーマやプラグインの相互性ということになります。
デメリットが1つ
前述したように、PHPを最新バージョンにすることで得られるデメリットがあります。
ですが、1つだけ気を付けたいデメリットがあるので、これから見ていきましょう。
エラーが発生しやすい
PHPを最新バージョンにすることで、起こりえるデメリットが「エラーが発生しやすい」ということです。
WordPress本体のバージョンがPHP最新バージョンに対応していても、使用するテーマやプラグインが対応していなければ画面がホワイトアウト(画面が白くなる)してしまったり、不具合の原因になってしまいます。
ですが、テーマやプラグインは全てが公式ではないので、使用するテーマやプラグインの公式情報から探るしかありません。



そもそも公式に情報が出ていない、ってこともありそうだね!
そこで必要になるのが今回紹介する「PHP Compatibility Checker」です。
このWordPressプラグインは、PHPバージョンとテーマやプラグインバージョンとの相互性をワンクリックでチェックすることができます。
PHP Compatibility Checkerのインストール


PHP Compatibility Checkerを使えば、PHPバージョンとテーマやプラグインとの相互性を簡単にチェックすることができます。安心・安全にPHPをバージョンアップできるわけです。
開発元はWP Engine
こちらのプラグイン開発元は米国でホスティングサービス(レンタルサーバー)を運営する会社になります。
レンタルサーバーを運営している会社だからこそ、PHPバージョンとの相互性がわかるというわけです。
https://ja.wordpress.org/plugins/php-compatibility-checker/
それでは、インストール作業を進めていきましょう。
まずはWordPress管理画面にログイン。
左メニューから「プラグイン」→「新規追加」を選びます。


検索枠に「PHP Compatibility Checker」と入力。
プラグインが表示されたら「今すぐインストール」→「有効化」です。


これでインストールが完了しました。
「簡単3分」PHP Compatibility Checkerの使い方
PHP Compatibility Checkerは、プラグイン導入時の手間となる面倒な設定がありません。
ただ1つ、スキャンする対象を「有効化しているテーマやプラグイン」なのか「無効化しているテーマやプラグイン」なのか選ぶ必要がありますが非常に簡単なので導入から3分でチェックを完了させることができます。
今回相互チェックを行うテーマ&プラグイン
- MetaSlider
- Rinker
- SEO SIMPLE PACK
- WPForms Lite
- XML Sitemap & Google News
- SWELL
- Simplicity2
- Cocoon
- Xeory
- Twenty Twenty-Three
相性の問題かたまにチェックできないプラグインやテーマがあります。とくにPHPが複雑なテーマではほとんどエラーを起こしてしまいます。
その場合PHP Compatibility Checkerでチェックできないというだけなので、実際はPHPバージョンと相互性があるかないかわわからないということになります。
そしてもう1つが8.0までしか相互性チェックができないということです。
こちらはPHP Compatibility Checkerがバージョンアップされれば解決するかもしれないので、待つしかないと言えるでしょう。
それでは使い方を見ていきます。
インストール後に「有効化」することで、WordPress管理画面左メニュー「ツール」に「PHP Compatibility」という項目が追加されます。まずはそちらを選択。


すると2つの選択肢が表示されます。
- Only scan active plugins and theme(有効なプラグインとテーマのみをスキャンする)
- Scan all plugins and themes(すべてのプラグインとテーマをスキャンする)
「有効化されているテーマやプラグインのみ」のチェックか「無効化・有効化含めたすべてのテーマやプラグイン」のチェックを行うという選択肢です。こちらはお好みで選択するといいでしょう。
どちらかチェックを入れたら「Scan site」を選択。


相互性の検証結果
まずはプラグインを見ていきましょう。
ほぼ全てのプラグインがPHP8.0と相互性があるようです。ただ1つ、物販系アフィリエイト用プラグインのRinkerのみがエラーになってしまいました。


この場合、相互性があるかないかわからないので、試しにバージョンアップしてみて確認しながら相互性を見るということになるかと思います。
続いてテーマです。
有料のSWELLや、無料のテーマを含めて検証してみましたが、結果は全てエラーという結果でした。


PHP Compatibility Checkerというプラグイン自体がテーマとの相性が良くないのかもしれません。
吹き出し
PHPをバージョンアップする
PHP Compatibility Checkerを使いWordPressのテーマやプラグインとの相互性を確認したところで、実際にPHPのバージョンをアップデートしたいと思います。
PHP8.0までの相互性しか確認できなかったので、PHP8.0にします。
当ブログはレンタルサーバーの「Wpx Speed」を使うので、その管理画面からの操作です。
まずは「インストール済みWordPress一覧」→「設定」を選択。続けて、PHPバージョン切替から「設定する」を選択。
現在のバージョンは推奨の「PHP7.4.33」になっているので「PHP8.0.25」を選び「設定変更(確認)」→「設定変更(確定)」
を押します。


これでPHP8.0への切り替えが完了しました。
設定反映まで最大で15分かかるとのことなので、しばらく待ちましょう。



1つのレンタルサーバーに複数のWordPressをインストールしている場合、
PHPのバージョン切り替えは個別に行う必要があります!
まとめ
今回はページ高速化のためにそんなPHPをバージョンアップさせるための相互性の確認方法を解説しました。
相互性をチェックする際に便利なプラグインが今回紹介した「PHP Compatibility Checker」です。
SEO対策において絶対に外せないのがページの読み込み速度です。
数年前のSEOでは、とにかく速いページが検索順位において有利で1秒以内に表示されるサイトが望ましいとされていました。
ですが、現在のSEOではページ速度の重要性がある程度緩くなり「ページの読み込み速度が2.5秒以内ならOKですよ」という評価に変わったのです。
とは言え、ページを高速化することでユーザーの離脱率が減りユーザービリティが向上しますから、高速化は引き続き重要な要素になります。
- サーバーの性能が低い
- PHPのバージョンが古い
- JavaScriptやCSSのコードが重い
- JPGやPNGを圧縮しないまま使用する
- Webフォント「Noto Sans JP」を使用する
高速化させるためには、それらの原因を1つずつ改善していって原因を探るしかありません。
その中のうちの1つにPHPのバージョンが古いという原因の可能性があります。



今回PHPのバージョンを見直してみてどうだった?



PageSpeed Insightsの点数にはあまり変化がなかったけど、体感でページの読み込みが速くなった気がするよ。
プラグインやテーマが対応しているのであれば、8.1の方が速そうだね!
今回の記事は以上です。
ページ速度を改善してGoogleクローラーにより評価されるブログを目指しましょう。
最後までありがとうございました。
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