「卵焼き」「スクランブルエッグ」「煮卵」「ゆで卵」「生で食べても良し」と、卵って色々な調理方法がありますよね。今回は、「ゆで卵」について紹介したいと思います。
日本ではいつから「ゆで卵」が食べられていたのでしょうか。
▼この記事の目次
ゆで卵の歴史&まめ知識
「なるほど~」と思える、ゆで卵にまつわる雑学・まめ知識をまとめてみました。
ゆで卵の歴史「江戸時代」
古い文献によると、江戸時代にはゆで卵が食べられていました。江戸時代末期に書かれた「守貞謾稿 (1853年) ※」です。それには「かけそばが一杯16文で、湯出鶏卵(ゆで卵)が一個20文」で売れていたと記されています。
江戸時代といっても期間が長く通貨価値の変動も大きかったといいますが、おおよそ「1文=20~30円前後」になります。江戸時代ではゆで卵が一個(500円程)が、一杯のかけそば(400円程)より高級品だったのですね。
当時は湯出鶏卵売り(ゆで卵売り)という行商人まで現れて、生卵・ゆで卵を売り歩いていました。このように、江戸時代に日本の卵料理は大きく発展を遂げていき、徐々に庶民の間に広まっていきました。
※ 守貞謾稿 (著者:喜田川守貞) は江戸時代後期に作られた百科事典。1837年(天保8年)から30年間書き上げられ、全35巻あります。
ゆで卵のまめ知識
- ・『新鮮な卵ほど茹でた後に殻がむきにくい』
- 新鮮な卵ほどゆで卵にしたら殻がむきにくいんです。剥きにくい理由というのが白身の中に「炭素ガス」が多く含まれているからです。新鮮な卵ほどこの成分が殻に多く含まれています。茹でるとその「炭素ガス」が膨張するため、内部で圧迫された殻と卵白がくっついてしまうという事で剥きにくくなってしまいます。
- ・『江戸時代に黄身と白身が逆になるという「黄身返し卵」というゆで卵調理方があった』
- 江戸時代から伝わる、料理本「万宝料理秘密箱 (まんぽうりょうりひみつばこ /1785年 /天明5年)」に掲載されている幻の料理方法です。「万宝料理秘密箱」には103種類の様々な料理方法が記されています。
かなり難易度が高い料理方法のようです。2009年に京都女子大学の教授によって再現されました。
- ・『卵を産むニワトリが日本にはじめて入ってきたのが2000年以上前の話』
- これは古墳時代にニワトリの埴輪が作られたのが残っているからです。しかし、当時は”神聖な存在”だったため食べる事はなかったそうです。
- ・『保存する場合、先端の尖った方が上の方が良いと思われがちだが、尖った方は下に向けた方が良い』
- 見た感じからして尖った方を上にしてしまいそうですが、正解は尖った方は下向きです。
なぜかというと先端が尖った方のほうが殻が厚く強度もあります。丸い方には「気室」と呼ばれる空洞がある為、「気室」を下にしてしまった場合、空気が黄身に触れたり上がってくる可能性があり、そうなると鮮度が落ちてしまうからです。
- ・『2013年に米国で植物で作られた人工卵 ビヨンド・エッグ』
- 人工と聞くとやや抵抗感がありますが、本物と変わらない見た目・味・風味なのだそう。マヨネーズやクッキーなどの原料としてお勧めという話です。
豆の成分など植物100%で作られていて、ちなみに米国ではすでに販売されています。日本での販売は未定です。
- ・『卵は髪の毛の必要な成分が全て含まれている』
- 卵には髪の毛を健康に保つための成分が豊富に含まれているんです。
「勿体ない」という意見も聞こえてきそうですが、「ヘアケアに使うと美しい髪の為に・育毛にも良い」という意見もあります。これは、抜け毛でお悩みの方に朗報ですね。
- ・『卵の賞味期限は生で食べられる期間なので過ぎたら加熱すれば食べられる』
- その通りです。ただ、賞味期限後は出来るだけ早めに食べるようにして、十分に加熱をして調理するようにして下さい。
簡単・美味しいゆで卵の作り方
ゆで卵の調理方法はいたってシンプル、卵をお湯に入れて茹でるだけです。しかし、そこにちょっとしたポイントを加えるだけでゆで卵の美味しさがレベルアップします。
ポイント
冷蔵庫から出してすぐに茹でるのではなく、事前に卵を冷蔵庫から取り出しておく。
卵は古い卵を使います。前にも述べた通り新鮮な卵は殻が剥きにくい原因になってしまいます。また新鮮な卵だと白身がボソボソ、古い卵だとプリプリの食感になります。
基本ポイントをまとめました
- 古い卵 (1~2週間) を使う
- 作る20、30分前には冷蔵庫から出しておく
- 殻にヒビが入らないように少量の塩を加えても良い
- 沸騰したら中火で静かに茹でる
- 鍋の底に卵を入れる時は割れないように静かに置く
卵に穴を開ける
卵の丸い部分 (尖ってない方) の先端に画びょうで穴を開けます。百円均一に便利な卵用の穴あけ器もあるそうです。こうする事で茹でた時に殻が割れやすくなります。
さらに卵の中のCO2が抜けて古い卵が無くて新鮮な卵を使う場合でも、比較的プリプリの食感のゆで卵ができ上がります。
茹でます
美味しいゆで卵を作る場合、水から茹でるのではなくお湯から卵を茹でます。水から茹でてしまうとその時によって茹で加減がまちまちになってしまいます。
[1] お湯に卵を入れる
沸騰したお湯に卵を入れて下さい。出来るだけ卵の丸い部分に開けた穴を上に向けるようにして下さい。
鍋が大きい場合、卵が立たないので向きは気にせずに置いても問題はありません。
[2] 茹でる時間は?
茹でる時間はお好みにもよると思います。お湯から茹でるとだいたい5分~8分半程です。
この辺りは半熟加減がいいなどお好みにもよるでしょう。今回6分で作りました。
また、開けた穴から空気が出る事が確認できると思います。
[3] 茹で上がったら
時間になったらザルなどにあげて、冷たい水で冷やしながら、流水に当てて殻を剥きます。熱くて殻が剥けないというのもありますしこの冷やすという工程も大事です。
流水でも十分冷えるので、氷水まで用意しなくても大丈夫だと思います。
「新鮮な卵がなかったので、今回新鮮な卵で作りました。やや剥きやすくはなりますが、新鮮な卵だとまだ剥きづらい感じですね」
[4] 仕上げ
あとは、お好みの大きさに整えて完成です!
「コンロの具合にもよると思いますが、6分でやや半熟のゆで卵が出来上がりました。完熟がお好みなら7、8分位がちょうど良いのではないかと」
この記事のまとめ
やや半熟の出来具合でした。プリプリ柔らかな触感のゆで卵の出来上がりです!
少しの手間でパサパサ感がなくなるという、ゆで卵調理法でした。