ITに関する知識や技術を証明するための国家資格が基本情報技術者試験(きほんじょうほうぎじゅつしゃしけん)です。この資格を持っていることで、プログラマーやシステムエンジニアの基礎スキルを持っていることを証明することができます。
今回の記事では、この資格を全く知らない方のために以下の気になることをまとめました。
- 2023年からの変更点
- この資格の難易度
- 就職で有利か
- 取得するメリット・デメリット
結論を先に言うと、難易度は中級者向けのレベル2。
プログラマーやシステムエンジニア、Webデザイナー、ITコンサルなどのIT系のお仕事で活かすことができます。
基本情報技術者を取得することで得られるメリットは以下3つです。
- ITの基礎知識が身につく
- 資格手当がつく企業が多い
- 国家資格のため有効期限がない
今回は、そんな基本情報技術者を徹底解説していきます。
それでは、さっそく始めていきましょう。
基本情報技術者とは
基本情報技術者試験(Fundamental Information Technology Engineer Examination)の略称はFE。
ITエンジニアの登竜門とされ、年間数万~10万人ほどが受験しています。
受験をするのに年齢制限や必須資格がないため、幅広い年齢層の人達が受ける資格と言えるでしょう。
この資格の基本情報
基本情報技術者の基本情報です。
気になる試験日ですが、2023年4月から随時可能になりました。

いつでも受験できるって、普段仕事で忙しい人にとっては朗報だワン!
基本情報技術者試験の基本情報
年齢制限 | 特になし |
受験資格 | 特になし |
試験日程 | 随時可能(2023年4月から) |
受験料金 | 7500円(税込み) |
試験方法 | CBT方式(パソコンを使った試験方式) |



基本情報技術者、他のポイントです!
- 最古のIT系資格
- 2023年から変更点あり
最古のIT系資格
基本情報技術者(第二種情報処理技術者)は国内最古のIT系資格です。
元々の名称が第二種情報処理技術者試験(だいにしゅじょうほうしょりぎじゅつしけん)。
システム開発やプログラミング言語の基礎知識があり、より高度な知識を身に着けたい人向けに作られました。
2001年4月より基本情報技術者に名称が変更されたという経緯があります。
名称 | 試験開催 |
---|---|
第二種情報処理技術者試験 | 1969年~2001年 |
基本情報技術者試験 | 2001年~現在 |



1960年代後半って白黒テレビからカラーになった時期だよ!
もちろん、Windowsのパソコンもまだないワン!



Windows(1980年代)より古くからあった歴史ある資格なんだね!
2023年から大幅変更
基本情報技術者試験は、2023年4月から3つの変更点がありました。
- 「年2回」から「通年実施」に変更
- 「素点方式」から「IRT方式」に変更
- 「午前試験・午後試験」から「科目A試験・科目B試験」に変更
「年2回」から「通年実施(いつでも受験可能)」になることで、挑戦する機会が増えました。
また「科目A試験・科目B試験」への変更で、Javaなどプログラミング言語の選択が廃止。擬似言語になりました。



「IRT方式」というのは回答結果により、点数をつける方法です!
これにより受験者の能力値を適切に判定しやすくなるというメリットがあります。
どんな問題が出題されるか
基本情報技術者はどんな問題が出題されるのでしょうか。
以下が出題されるジャンルの一部です。
- 情報セキュリティ
- ソフトウェア
- アルゴリズム
- プログラミング言語
- システム戦略
- プロジェクトマネジメント など
このように出題されるジャンルは多岐にわたるため、初心者はどこから勉強をしたらいいかわからないかと思います。
必ず出題される「2進数・10進数・16進数の変換計算」
計算系の問題、特に2進数や10進数・16進数の変換方法は必ず問題に出るのでしっかり覚えておきましょう。



目指すは合格!しっかり覚えて差をつけよう
この2進数・10進数・16進数の変換方法の計算についてまとめた記事があります。
初心者でもわかりやすく図解で解説しているので、今すぐチェックすることをおすすめします。
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基本情報技術者試験の難易度は
結論を先に言うと基本情報技術者試験の難易度は低いです。ですが、初心者にとっては難しい資格になります。
同じIT系の資格にITパスポートがありますが、そちらの難易度レベルが1で基本情報技術者試験がレベル2です。
とは言え、低いといってもITの基礎知識が全くない人向けというわけではなく、最低限のプログラミングやITの基本情報に精通していないと取得は厳しいでしょう。ITエンジニアの登竜門と言われる資格になりますし、一般的に中級者レベルのIT資格と言えます。
アドバイスや指示をされてプログラミングが書ける位のスキルです。
IT系資格の難易度を一覧でまとめてみました。
難易度 | 資格名 |
---|---|
レベル1 | ITパスポート |
レベル2 | 情報セキュリティマネジメント |
レベル2 | 基本情報技術者 |
レベル3 | 応用情報技術者 |
レベル4 | ネットワークスペシャリスト、データベーススペシャリスト、システムアーキテクト |
ご覧の通り基本情報技術者は、IT系資格の中では中間に位置する難易度です。
ちなみに同じレベル2でも、情報セキュリティマネジメントは初心者レベルになります。
基本技術者試験の合格率は
難易度がわかったところで、気になるのは合格率でしょう。
ITパスポートの合格率50%と比べ、基本情報技術者は少なく20~30%の合格率になります。
そのことから、やはりIT系資格の中では中間に位置する難易度と言えども一般的に見たらわりと高い難易度と言えるでしょう。
基本情報技術者を活かせる仕事
基本情報技術者の資格がIT系の就職において必須になるということはほぼありません。
ですが、ITスキルを証明するための資格ですから取得しておくことで、就職で有利になる可能性があります。
以下が基本情報技術者を取得することで活かせるIT系のお仕事です。
- プログラマー
- システムエンジニア
- ITコンサルタント
- Webデザイナー
まずは「プログラマー」と「エンジニア」。
基本情報技術者はアルゴリズムやプログラミングの基礎知識を必要としますから、プログラマーを目指しているのであれば有利に働く可能性があります。
【システムエンジニアの登竜門】と言われている位ですから、もちろんシステムエンジニアにも活かせます。
また、直接「Webデザイナー」の知識が出題されるわけではないですが、ITの基礎知識を学ぶことでWebデザイナーや「ITコンサルタント」に活かすこともできます。
このように、とにかくIT企業で働きたいというのであれば取得しておいて損はない資格が基本情報技術者です。
基本情報技術者を取得する3つのデメリット・メリット
基本情報技術者の取得を考えている方にとって、気になるのがデメリットやメリットです。
実際に得られるであろう恩恵をそれぞれ3つまとめてみました。
3つのメリット
以下が3つのメリットです。



まずはこの資格を取得することで得られるメリットを見ていきましょう!
- ITの基礎知識が身につく
- 資格手当がつく企業が多い
- 国家資格のため有効期限がない
ITの基礎知識が身につく
基本情報技術者の資格はITの基礎知識を証明するという目的もあるので、ITの基礎知識が身に付きます。
身に着けることで、仕事や副業に活かすことができるのでこれはメリットと言えるでしょう。
資格手当がつく企業が多い
続いてのメリットは「資格手当がつく企業が多い」ということです。
IT・プログラミングの基礎知識を証明する国家資格ですから、持っているだけで資格手当がつく企業は多いと言われます。
資格手当の相場は毎月5000円~10000円ですから、資格を仕事に活かすことで資格を取得する際にかかる受験費用や参考書代などはペイできるかと思います。
国家資格のため有効期限がない
国家資格は有効期限がないため、一度取得したら一生その資格を保有することができます。
有効期限がある場合は、うっかり失効してしまったということになりかねないので、これは大きなメリットと言えます。
3つのデメリット



デメリットも把握しておきたいワン!
以下が3つのデメリットです。
- コストがかかる「費用や学習時間」
- 就職で有利や即戦力になるとは限らない
- エンジニアはより高度な知識が求められる
コストがかかる「費用や学習時間」
まずはコストがかかるということです。
コストというのは、費用だけでなく時間を含めたコストを指します。
受験費用は7500円と資格の中では特別高い費用ではないですが、1発で合格しない限りその都度受験費用がかかることになります。また、学習のために用意する参考書や通信講座といった費用もかかります。
独学で勉強をするのがベストですが、やはりそれだと時間がかかってしまいます。どこを学習すればいいのかわからないということで、さらに参考書費用や時間的なコストがかさ増しされるというわけです。
このことから、基本情報技術者の資格を取得するためにはコストが最大のデメリットと言えるでしょう。
そんなデメリットですが「資格手当がつく企業が多い」というメリットが打ち消してくれます。
もちろんこの資格を求めている企業に就職したらという話ですが、就職までというその先を考えている方はその辺は頭に入れておくといいでしょう。
就職で有利や即戦力になるとは限らない
基本情報技術者は、資格を持っているだけで資格手当を支給してくれる企業が多いので、一般的に就職や転職に有利と言えます。ですが、全ての企業がこの資格保有者を優先してくれるとは限りません。
これから基本情報技術者の取得を考えている方は、受験勉強を始める前にまずは就職したい企業がこの資格を求めているのか調べておくといいでしょう。
エンジニアはより高度な知識が求められる
3つ目のデメリットが「エンジニアはより高度な知識が求められる」ということです。
確かに基本情報技術者はIT系資格の中では中級者向けのレベル2ですから、他のレベル3やレベル4のIT系資格に比べたら難易度が低いです。
そのことから「基本情報技術者に合格したら、次はあの資格」と視野をひろげてより上を目指すスタンスでいくといいでしょう。
まとめ
まとめです。
今回はIT系の資格、基本情報技術者について解説しました。
基本情報技術者の難易度は中級者向けのレベル2です。ですがこれは、IT系の資格の中では中級というだけで、プログラミングをしたことがない全くの初心者にとってはかなり難しい資格と言えます。



受験者は年間数万~10万人ほど。合格者が20~30%と、合格者が少ないんだワン!
取得することで活かせる仕事が、プログラマー・システムエンジニア・Webデザイナー・ITコンサルです。
基本情報技術者には3つのメリットがあるので、気になる方は受験の準備を始めるといいでしょう。
今回の記事は以上になります。最後までありがとうございました。
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