「イラスト」・「デッサン」・「模写/トレース」「クロッキー/スケッチ」それぞれどんなものなのか、またどんな所が違うのかざっくりとまとめてみました。
「最初に」イラストとは
まずイラストというのはイラストレーションを略したもので、英語ではIllustrationと書きます。語源はただ描くというイメージではなく、ラテン語のLustrare”明るくする” “照らす” から→ “分かりやすくする” ものという意味できています。
日本で言うところのイラストは和製英語なので欧米では通じません。イラストという意味は広義な使われ方をされていますが、絵画とイラストは分類されているようです。
イラストは日常の様々な場所で使われています。
「アナログ絵」or「デジタル絵」
アナログは紙に手書きで描く方法、デジタルはコンピューターを使用して描いたイラストです。どちらで描くべきかというのはなく自分の描きやすい方法で良いようです。
下書きから色塗りまでデジタルにするというやり方がありますし、下書きをアナログで描いてからコンピューターにスキャンしてペンタブで色塗りを仕上げるというやり方もあります。
筆者はドット絵、デジタル絵を作るにしろまずはイラストで下書きしてからスキャンしてパソコンに切り替えるという方法から覚えてその様子をブログで紹介していきます。
「デッサン」とは
デッサン (素描/仏… dessin) とは鉛筆や木炭を使い黒一色で被写体 (対象物) の明暗を平面に表現する技法です。同じ意味で日本語では素描 (すがき) と言い、dessinはフランス語ですが英語ではドローイング (drawing) と言われます。
デッサンの特徴は先ほど前述した黒一色で表現するという所と見たままの被写体そのままを描くという所です。作品を作るための下絵として描かれる事もあるようです。
デッサンの対象は大きく「石膏デッサン」・「静物デッサン」・「人物デッサン」に分類されます。また風景画をデッサンするという事もあります。それぞれどのようなものなのか見てみましょう。
石膏デッサン

石膏 (せっこう) デッサンとは石膏像を被写体にしたデッサン方法です。石膏像とは石膏で作られた立体像で、デッサン用の石膏像は主にルネサンス (renaissance) などの石膏像が描かれます。
石膏像を描くには陰と陽を使い分けて立体感を表現する必要があるためそのような感覚を掴むのに良いとされているようです。
静物デッサン
静物デッサンとは静止している物体を描く方法です。静物デッサンの中でさらに「自然物」と「人工物」に分ける事ができます。これらは自然に存在している物なのか、人類の手によって人工的に作られた物なのかの違いです。
被写体にするものは何でもいいと思います。身近にある描きたい物を描けばいいとは思いますが一応例として
自然物
果物 (りんご、パイナップル、バナナ)、野菜、植物・花
人工物
ボール、瓶、ボトル、家電、段ボール、置物、壁
人物デッサン
人物を描く事を人物デッサンといいます。イラスト、漫画で人物描画を上達させるために人物デッサンを練習する事もあります。
風景画 (風景デッサン)

風景画をデッサンするという事です。風景画とは山、海、川、草原、森などの自然の風景、そして家、ビル、小屋などの建物に道路を描画したものになります。
風景デッサンには、草・木・花などの植物にあたる自然物の「静物デッサン」、建物や電柱などの人工物の「静物デッサン」、場合によっては風景の中に表現される「人物デッサン」が含まれます。
風景画を描くコツとしてはイラストのように下絵となるアタリからまずは大まかに描いていくという作業方法が良いようです。
「模写」と「トレース」
模写 / reproduce
模写 (もしゃ) は他の人の作品、写真等を忠実に再現し真似て描く事です。模作ともいいます。
練習してイラスト・スキルを磨くために模写をする場合は問題ないですが、著作権が存在する作品をブログやSNS上であげると著作権侵害に引っかかってしまう可能性があります。
日本画と模写
日本画では古くからこの方法が用いられていて伝統的な学習方となります。古典を模写する事は古典模写と呼ばれています。
また模写にはこのような種類があります。
- 写真模写
- 普通模刻
- レプリカ (異作)
自分自身の作品を模写して完成させたもの
トレース / trace
イラストや絵画においてトレースとは作品の上に薄い紙を置き、上から透かして作品を写し取るという技法です。traceという単語はこれ以外にも足跡、通り道、痕跡というような意味があります。
「スケッチ」と「クロッキー」
「スケッチ / 写生」
スケッチ (sketch) は風景や人物の対象物を大まかに描く事です。使用する道具にはこれといって特に決まり事はなく、水彩絵具を使用してもスケッチの範囲内となります。
これを「水彩スケッチ」と呼びます。
「クロッキー」
クロッキー (仏… croquis) は、スケッチよりさらに素早く5分~10分で被写体を大まかに描くという技法です。速写とも言います。時間について正確な規定というものなく、20分と言われる事もあるようです。
静止した物を描く時もあれば動き回る人物や動物を描いて動作によるポーズの変化をとらえるという練習になります。速写なので大きな形の部分を描く事によって全体的な構成を掴むという目的もあるようです。
クロッキーを描く場合は短い時間で時間チラチラを気にせず集中して描きたいので事前にタイマーをセッティンしておいて描くと良いでしょう。
また漫画を描く場合デッサンもそうですが、このクロッキーが練習法として推奨されている面もあるようです。
まとめ
「デッサン」「クロッキー」はイラスト上達のために有効だと言われていますね。模写も練習するには良いと思います。
また人間の骨格、筋肉のつくりを理解する事も重要な要素なようです。もちろん動物を描く場合にもこのような事は当てはまります。
今回の記事はここまでです。
イラストの上達方法やコツをまとめた関連記事があります。興味あるよという方はそちらの記事も合わせてご覧ください。

最後までありがとうございました、ワンワン!

