当ブログは今回の記事で100記事目です。最初は閑古鳥だった当サイトも、最初の頃と比べるとほんの少しずつですがアクセスが増えているような感じでありがたいです。
ブログ運営者にとって100記事というのは何かの節目のような意味のあるもののような気がします。実際に「ブログ記事100回達成!」というような記事を探すと数多くあります。
今は何かと厳しいですが、私は余裕がある時は国内旅行・海外旅行に色々な所へ行きます。以前に海外行った時に、英語が初心者レベルしかわからないのでほぼ指を使ってのジェスチャーや、「Yes」か「No」でなんとか通じたのを覚えています。 ちなみに英語が公用語じゃない国でも英語なら通じるって国って実際結構多いみたいです。
100記事目だからと言って何かあるわけではありませんが、いつもと趣向を変えて今回は「英語」の歴史についてです。
それでは、さっそく始めていきましょう。
英語の歴史

英語はアメリカの言葉だという認識が多いようですが、最初の漢字「英=英国」や「English=England/イングランド」から来ているようにイギリスからきています。また、英語の歴史は大きく3つの種類に分類できます。「古英語」「中英語」「現代英語」です。歴史順に見ていきましょう。
photo by quattrostagioni
古英語/ Old English -500年~1100年頃-
古英語 (こえいご) はおよそ500年~1100年位まで使われていた英語の起源ともいうべき言語です。ブリテン島には元々紀元前9世紀頃からケルト人 (ブリトン人) が侵入してケルト語が使われていました。
紀元前50年位~411年位の間にブリテン島は長い間ローマ帝国が支配していましたが、476年に西ローマ帝国の皇帝がゲルマン人により追放され滅亡し、ローマ軍は衰退することとなります。この西ローマ帝国滅亡を境に古代から中世ヨーロッパが始まります。
5世紀となりゲルマン人の大移動が起こり、その際にゲルマン系 (ドイツ北部あたりから) がケルト人を北西へ追いやりブリテン島を征服して持ち込んだ言語がはじまりです。第二公用語も含め今では世界で10億人以上が使用していると言われる英語は、日本の本州と同じ位の大きさの1つの国からはじまったのです。
ちなみに古英語というのは今では使われていない言語で、現代英語とはまったく違う言語です。文法も複雑なので現代の米国人や英国人が見てもあまりわからないと言われます。
日本語も歴史がある古文書などは知識がないとわからないですし、現代の日本人と何百年か前の日本人は日本語が通じないとも言われています。実際に祖父・祖母の世代と、団塊世代以下を比べると地方によっては言葉の訛り具合が違うような気がします。
このように、数世代前でも訛りが違うのですから何百年も年月が経てば、それだけ言語も変化をとげるということです。
話を元に戻しましょう。
古英語は、ゲルマン語派 (Germanic Languages) というものに属しています。インド・ヨーロッパ語族のうちの1つで現代でゲルマン語派には英語、ドイツ語、オランダ語、ノルウェー語、アイスランド語などが含まれます。
中英語/ Middle English -1050年~1500年頃-
1066年にノルマン・コンクエストが起こりイングランドがフランス (ノルマン人) に占領されます。
ノルマン・コンクエスト (Norman Conquest) とは日本語だと「ノルマン人による征服」。1066年にフランスのノルマンディー公ギョーム2世がイングランドを制圧して「ノルマン朝」を建国、ウィリアム1世としてイングランドの王となります。ウィリアム1世はイギリスの王でありながら、フランス王の家臣という立場でした。
ノルマンというのはフランスの北西部のノルマンディー地方のことです。ノルマン人は9世紀頃から定住したヴァイキングの一派で、ノルマン・コンクエストの頃には言語・習慣ともにフランス化して定着したと言われているそうです。当時のノルマン人はフランス語の方言のような言葉を使っていました。
このノルマン・コンクエストにより、英語は古英語から中英語へ移行していきます。
中英語期では、支配層はフランス語を使い、支配層される側は英語を使うという二重言語環境になりました。
さらに中流階級の人や商売人は英語、フランス語両方話すことが出来る人もいて、学者や聖職者が書く文書はラテン語という状態だったと言います。(フランス語の起源は古代ローマの公用語ラテン語)
もちろん、このような複雑な言語環境だったのは今のようなインフラやネット環境はないので情報・言葉の伝達が遅かったというのもあるかもしれません。支配層はフランス語だったので文化や政治の面で言語が反映され、英語に数多くのフランス語が含まれる事となっていきます。ちなみにこのような歴史から現代英語で「~tion」が付く単語はフランス語由来だそうです。
しかし、フランス語の文化中心となっていったイギリスが英語文化に切り替わる出来事が起こります。1204年にイギリスのジョン王がフランス貴族ともめごとを起こしジョン王、イギリス貴族が持つフランス領が没収されてしまいます。
その後イギリスの貴族達はイギリスに残るか、フランスに行くか選択を迫られるのです。結果、多くの貴族達がイギリスを選択し、貴族達の間でイギリス人としての意識が高まり英語が見直されはじめたといいます。
そして英語復活を加速させたのがイギリスとフランスが対立し、ジャンヌ・ダルクで有名な「百年戦争」Hundred Years’ War (1337年~1453年) です。百年以上続いたというわけではなく休戦や平和条約を結んだりと繰り返しながら起こった出来事をひとまとめにして「百年戦争」と呼びます。
このような出来事もありイギリスにおけるフランス語公用語の地位は減速し、英語の重要性が次第に増していきます。非支配層の農民だけが使用していた英語は、イギリスの国会、教育、公文書など拡がっていきます。英語は長く文化・政治の分野で使用されていなかったため、当時の英語に不足していた表現はフランス語、ラテン語から積極的に取り入れられました。
近代英語 /Modern English -1500年~現代-
この時期に入ると印刷分野が大きく発展しそれと同時に英語も発展していきます。印刷革命と呼ばれるものです。
そして個人として英語史の中で最も影響を与えた人がシェークスピア。イギリスのルネサンス演劇を代表する人物で、英語で表現した多くの名言を残しました。
16世紀~17世紀頃には多くの文化人がラテン語、ギリシャ語から多くの言語を英語に取り入れました。またイギリスが世界に植民地を広げるとそれと同時に英語は世界中に広まりました。1776年7月4日のアメリカ独立により、イギリス英語、アメリカ英語とそれぞれ特徴が分かれていきます。
黒人英語 (African American Venacular English/ 略して AAVE) という言語も使われだします。この黒人英語の起源については色々な説があるようですが、当時の黒人奴隷が白人にわからないようにスラッグを使いだすようになった事などから独自の発展をとげたと言いわれているそうです。
このように英語は世界規模で普及がすすんでいきました。
▼海外サイトのList25は「The 25 Most Influential Languages in the World | List25」の記事で世界で最も影響力のある言語ランキング25で、英語の影響力が世界1位だと発表しています。

ちなみに2位が英語と関係が深いフランス語、日本語は9位のようです。
まとめ
今回は100記事目ということで、いつもの「ITやWeb系」とは違うジャンルの記事を書いてみました。
英語の歴史をまとめていたら思っていたより情報が多く、ボリュームが多くなりそうだったので「近代英語・現代英語」については少し省略してあります。

今回の記事は以上です!ありがとうございました、ワンワン!