「デジタル雅号印」 落款をデジタルで作成する方法!書体・雅号決め方

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今回は前回デジタルで水墨画風に仕上げた龍にこのように落款 (雅号印) を付けました。一番上の印鑑がそうです。

水墨画や書道などによく見られるものですよね。実はこちら本物の印鑑を作って押したわけではなくデジタルツールのGIMPを使用し制作しました!

今回はこれが「何を意味する」ものなのか。「何を書けばいいのか」「どう作れば良いのか」ご紹介したいと思います。

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▼この記事の目次

  1. 落款をデジタルで作成する方法
  2. 「基礎をざっくり」書体を決める
  3. 「デジタル」雅号印を作成する
  4. この記事のまとめ

落款をデジタルで作成する方法

作品が完成したら落款を作成します。「和」という感じがする印鑑の事です。「落款=作品」の完成を意味します。つまり落款も作品の一部なのです。

といっても..

落款印を持っているわけではないのでそれならパソコンで作成してしまおうという事です。

落成款識 / らくせいかんし

落成款識、略して落款 (らっかん)。書物が完成した証としてその作者の姓名、雅号 (がごう) などを署名として記すものです。
篆刻 (てんこく)
篆刻印
篆書

雅号 / がごう

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photo by Moyan Brenn

雅号とは画家、書家、作家が作品を作る時に使用する風雅な名前です。本名を使用する場合もあります。

書道家などは何年も修行を積んで師匠から一文字もらい受けるという風習などが存在するようですし、雅号といった言葉の響きから重々しい感じがしますが古くからあるペンネームのようなものです。

本来雅号は自由に付けて良いというものなのです。というのも明治3年に平民苗字許可令 /へいみんみょうじきょかれい (明治8年に義務化) が出されて日本人が公に名字を名乗れるようになるまでは日本には仮名 (けみょうの) といって複数の名を持つという文化があったからその影響もあるかもしれません。
江戸時代やそれ以前は諱といわれる本名は名乗る事なく通称名を使うのが一般的でした。わかりやすい例だと夏目漱石は雅号なのだそう。またそのような著名な人物でなくても明治時代は雅号を名乗る人が一般的に流行ったそうです。

雅号の付け方

前置きが長くなってしまいましたが雅号はいわば古くから存在するペンネーム/ニックネームのようなもので複数持って名乗るのも自由なのです!

筆者はイラストを専門でやっているわけではないですがそういう事で今回自分の雅号をつけてみようかと。

といっても、いざ付けるとなると何にしたらいいか迷います。落款にした時の見栄えなのか雅号は漢字で2文字が多い気がします。

▼一応雅号を決める時の目安をざっと見てみましょう。

  • 本名からとる
  • 趣味からとる
  • 自分自身の見た目から
  • 出身地からとる
  • 現住所からとる
  • 思いつき
  • 師匠から一文字頂く

これらをまとめると結局は自由だという事になりますね・・。
といっても漢字で風雅な名前となるとなかなか思いつきません。とりあえず考えましょうか



雅号は雨春にしました!

読みはうしゅん (仮) です。

朱文と白文

落款を雅号にするか本名にするか、雅号であればその雅号の名前を決めたら次は朱文 (しゅぶん) にするか白文 (はくぶん) にするかです。

朱文が文字の部分に色が付いている印鑑、白文が文字の部分が彫ってある印鑑です。決めるといっても雅号を使用する場合は
朱文、本名を使用する場合は白文にするのが一般的なようです。

また雅号を決めていなくてない場合は本名で朱文にしても問題ありません。

「基礎をざっくり」書体を決める

Shanghai Art Museum

「雅号が決まった」「朱文にする」と落款印を作成するための材料が揃ってきました。最後に決めるのは書体です。印鑑の書体って様々な種類がありますよね?これを決めるわけです。

書体については印鑑屋さんのHPを見ると詳しく記載されている事が多いようです。雅号で落款するための印はそのまま雅号印 (がごういん/朱文) 、または雅印 (がいん) と言います。

photo by torbakhopper

篆書体 / てんしょたい

漢字の書体のうちの一つ。分類的には古代文字となり、かなり歴史が古く紀元前には使われていました。秦の時代に始皇帝 (紀元前246年即位) が統一した文字です。

日本最古の印で国宝に指定されている「漢委奴国王 (かんのわのなのこくおういん)」は篆書体で作られています。身近な所だと日本円の印鑑が篆書体となるようです。

「う~ん」

とりあえず他の書体も見てみましょう。漢字の書体には歴史の古い順から

「甲骨文字/金文 (きんぶん)」→「篆書 (てんしょ)」→「隷書 (れいしょ)」「行書 (ぎょうしょ)」「草書 (そうしょ)」「楷書 (かいしょ)」とあります。「古印体 (こいんたい)」も使用される場合がありますね。
「楷書体」は現代でも使用される漢字の書体の一つです。「楷書体」「篆書体」意外の書体もざっとですが見ていきましょう。

甲骨文字 / こうこつもじ

現在確認されている最古の漢字で殷王朝 / いんおうちょう (紀元前1700年頃~紀元前1100年頃) の時代の中で使用されていたとされる。亀甲や獣骨に文字として記されているのが1899年に発見されました。

その時代には日常のありとあらゆる事柄を占いによって決められていました。そういった場面で多く使用されていたとされます。

それまでは殷王朝は伝説の古代王朝とされていたが甲骨文字に記されている内容により考古学的にその存在が証明される事となりました。漢字の起源ですね。

金文 / きんぶん

甲骨文字の次、殷王朝、周王朝~秦漢時代 (紀元前1300年頃~紀元前250年頃) に使用されていたとされる書体です。
銅や青銅に記されていていた事から金文と呼びます。

隷書体 / れいしょたい

漢字の書体のうちの一つで八分、分書とも呼ばれています。篆書体から変化した書体で一見何を書いているのかわからない篆書体と比べると現在の漢字の形にやや近づいた書体と言えます。

行書体 / ぎょうしょたい

隷書を崩した文字です。

草書体 / そうしょたい

行書体をさらに崩した文字です。

古印体 / こいんたい

隷書体を元に日本で独自に進化した書体です。奈良時代の寺社印であったため当時の技術を再現すると現代でも古印体はこのような波打っている字になるようです。

日本ではこのように一般的にホラー作品で使用されることが多い書体として有名です。

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落款の位置

書道の落款位置を調べてみるとだいたい決まっているようですが、画像検索して水墨画の作品を色々みると特に決まった位置はないような気がします。
落款の大きさは作品が大きかったら大きい落款、小さかったら小さい落款。大胆な構図の作品だったら大きい落款、繊細な作品だったら小さい落款と使い分けるのが一般的なようです。

作品のイメージによって使い分けるという事のようです。

「デジタル」雅号印を作成する

それでは基礎知識はこの位にしておいて、いよいよデジタルで雅号印を作っていきます。デジタル雅号印です。

まずは書体ですね。白舟書体がフリー・商用可で配布されていました。書体が豊富だったのでこちらに決めました!
なお白舟書体は一般的な商用用途は可能という素材なので、配布などその他の用途で使用される事を考えている場合は白舟書体ライセンスをよくご確認下さい。

▼書体は「白舟書体」よりダウンロードしました。篆書体、古印体、草書体と迷ったので3つインストールしました。

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▼実際どのような表記になるか比較してみました。収録されているのが教育漢字1006文字
なのでそれ以外の文字は製品版にあるようです。

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雅号印を作るといっても作った事がないのでネットの画像検索で水墨画や雅号印というワードで調べて拡大したりしてよく見てみました。縦書き、横書きと特に決まってはいないようなので両方作って比較してみました。

▼書体が出来上がっているので色を付けるともうそれらしくなります。

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比較してみて気に入った草書体で今回デジタル雅号印を作る事にしました。

仕上げ

デフォルトの書体の文字列のままだと2文字を入れる場合長方形になってしまいます。水墨画などの雅号印を見るとだいたい正四角形に近い四角形になっているので、まずこれを調整します。
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ここに枠を入れて印鑑っぽさが出るように文字・枠それぞれに実際の印にの印象に近づけるためにフィルターを付けます。不透明度も落としました。
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次に仕上げとして白の背景部分を全て切り抜きます。

▼雅号印の完成です!
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あとは水墨画風で描いた龍に完成の印としてこのデジタル雅号印を入れます。

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アナログで龍の下書き」「デジタルで水墨画風に色付け」、そして今回と3記事に渡っておおくりしてきましたが、雅号印を付けようやくデジタルの龍が完成しました!

題名はまだ決めていません。今後ブログで描いたイラストはついでにpixivとかdeviantARTとかに投稿できるならしてみようかなと少し考えている所です。

この記事のまとめ

出来上がってから見るとここをもう少しこうしたら.. という部分がありますがはじめて描いた龍なのでこんな感じかもしれません。

龍は鱗とか結構面倒な箇所があり途中で挫折しそうでした。今回の龍は結構前に出来ていましたがなぜか手が進まなくなってしまって、龍はしばらくは描かなくていいかなという感じです。(笑)

次に龍のような対象物を描くとしたら次はドラゴンとかそれ以外に挑戦してみようかなとも思っています。

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