前回の「「アナログ」龍を描いてみた!龍・竜・ドラゴン違い/龍の特徴」に引き続き今回は龍の絵を描いていきたいと思います。前回はアナログで下書きを描いたので、いよいよそれに色を塗っていきます。
まず龍の色について色々と調べてみました。
「黄龍」「青龍」「赤龍」「白龍」「黒龍」と5種類あるとの事ですがあまり聞かないような気がします。この五種類ある龍の色は五行思想に基づいているそうですね。
この五行思想が→陰陽五行思想に発展し日本に伝わり→陰陽道 (いんようどう) として独自に発展を遂げたみたいです。なんかよくわかりませんが風水とかそのようなものでしょうか。
とりあえず日本では黄龍 (こうりゅう) はめでたい龍とされるようです。黒龍 (こくりゅう) は日本の神話に登場します。
Google画像検索で龍のイラストや浮世絵、水墨画を見てみると日本では緑色の龍と黒龍というか筆でモノクロに描かれた龍が多い気がします。という事で今回はデジタルで水墨画風の龍を描いてみる事にしました。”風”と付けたのは水墨画は下書きやアタリを付けずに直接描くのが一般的のようですね。
水墨画 / すいぼくが

下書きの時点では色についてあまり考えていなかったのですが色々調べていくうちに和風な感じに挑戦してみたかったので、水墨画風にしてみる事にしました。
水墨画は中国では唐時代に誕生し、日本には鎌倉時代に漢絵などの山水画が禅とともに中国から伝わりました。
photo by tsoilanc1
「国風文化」大和絵 (やまとえ)
photo by Art Gallery ErgsArt – by ErgSap
大和絵という習慣日本絵画がありますが、水墨画とは違います。
歴史上に遣唐使という言葉がありますね。630年遣唐使が開始された7世紀には唐の影響はアジア、日本にまで広がっていました。
しかし9世紀に遣唐使が廃止されると、日本独自の文化が次第に発展していきます。このような文化の変化が平安時代には国風文化となり「仮名」「源氏物語」「枕草子」と様々な日本独自の文化が発展しました。
大和絵、または倭絵は国風文化によって生まれたものです。「源氏物語絵巻」は大和絵の技法によって描かれました。
というと水墨画は大和絵の対義語で「大和絵=日本の絵」、「水墨画=中国の絵」となりそうですが、前述した通り中国絵は唐絵/漢絵といった洋画、邦画のようなカテゴリ分けをしているようです。
また現在の日本の水墨画と中国の水墨画では定義が違います。このような定義は時代によって違うということもあります。
水墨画と墨絵の違い
ざっくりですが水墨画、大和絵、唐絵というジャンルの違いわかった所で水墨画と墨絵についてです。
これについては定義は人それぞれという感じがします。一般的には水墨画・墨絵ともに墨で描き、水墨画は黒一色、墨絵は黒以外の色を使い、水墨画は水を使いにじませたりぼかしたりするといった感じでしょうか。
水墨画でも黒以外の色を使う作品もあるようですし、これだ!
といったはっきりとした線引きはないかと思われます。
水墨画の技法
水墨画は基本黒一色 (墨) と水だけで描かれます。筆先の太さを強弱をつけたり、変えたりして線を表現し、色の濃さ・薄さは水を使ったりしてぼかしたりにじませたりして対象物を表現します。
本来は墨を使いますが、このような描き方をデジタルツールで表現してみましょうというのが今回の記事の目的です。
筆ペンで龍を描く
それでは水墨画風の絵を描いてみる事にします。風としたのは一般的に水墨画は下書きなしで描くもの、で実際は墨を使うのをデジタルで表現するのでそう表記しました。
ソフトはGIMP、とペンタブを使います。色は黒一色筆ペンは「動的特性」の設定を変更します。
- 黒一色
- 筆ペン
- 「動的特性」

Basic Dynamics
Fade Tapering
Velocity Taperin
Pen Generic
さて水墨画風に描くといってもどこから手をつけていいのかわからないのでまず外側から描いてみます。
▼とりあえずこんな感じで外側のレイヤーは(仮)ですが完成しました。
筆ペンには動的特定の「Velocity Taperin」を使いにじみ、ぼかしを使っています。
デジタルで鱗を描く
次は鱗に取り掛かります。

ここが今回一番大変というか面倒でした。途中挫折しそうになりながらもとりあえず出来ました。

この記事のまとめ
といってもまだ完成ではありません。まだ細かい手直しと落款を入れるという工程が残っています。
落款とは水墨画、書物などに押してある和風な印鑑の事です。「落款=作品の完成」を意味します。次はデジタルツールを使ってこの落款作りをしてみたいと思います。