いつの頃からか私たちの身近にある機能、それがBluetooth(ブルートゥース)です。
ガラケー時代からある赤外線通信と同じようなもの、という認識を持っている人か多いのではないでしょうか。
そもそも赤外線通信とBluetoothの違いは何なのか、これを説明できる人はどの位いるのでしょうか。
かくいう私も同じような認識でした。
まさに今回の記事タイトル通り【いまさら聞けない】ことですよね。
結論を先に言います。Bluetoothとは、機器間のデータ通信を行うための通信技術です。
赤外線通信との違いはこちら。
- 通信距離
- 方向性
- 通信容量
- バッテリーの消耗
今回はBluetoothについて深掘りしていきます。それではどうぞ。
Bluetoothとは

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前述した通りBluetoothとは、機器間のデータ通信を行うための通信技術です。
また、赤外線通信も同じくデータ通信を行うための規格です。違いは以下となります。
- 【通信距離の違い】Bluetooth…10m 、赤外線通信…30cm〜1m
- 【方向性の違い】Bluetooth…多方向、赤外線通信…直線
- 【通信容量】Bluetooth…多い(24Mbps)、赤外線通信…少ない(4Mbps)
- 【バッテリー消耗の違い】Bluetooth…優秀、赤外線通信…比較すると減りが早い
赤外線通信についての詳しく解説は、また後ほど。
Wi-Fiはネットをつなぐ用途で利用されますが、Bluetoothの主な利用用途はスマホとヘッドフォンをワイヤレスでつなげたりノートパソコンとキーボードやマウスをワイヤレスでつなげたりします。
最近ではマイクやスピーカーだってワイヤレス仕様です。わずらわしいコードがワイヤレスになってなくなるというだけでずいぶんスッキリと快適に利用できることでしょう。
Bluetoothで機器間をつなげるためには、双方がBluetoothに対応している必要があります。ワイヤレスとお求めの際は事前にしっかり確認することをお勧めします。
語源はデンマークの王
Bluetoothを直訳すると青い歯ですが、意味はそれだけではありません。Bluetoothの語源はデンマークの王様ハーラル・ブロタン(Harald Blåtand / 10世紀)からきています。

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ハーラル1世ゴームソン “青歯王”(デンマーク語: Harald Blåtand、 ? – 986年?、ハラルド・ゴルムスソンとも)は、デンマークの王(在位:958年? – 985年?)。 父親はデンマーク王ゴーム、母親はテューラ・デーネボーズ。 ノルウェーとデンマークを無血統合した。ザクセン公家のデンマークへの政治的侵入を受け、960年ごろに洗礼を受けてキリスト教を受け入れた。ただし、948年にはシュレースヴィヒ、リーベ、オーフスの半島3都市に既に司教が任命されていたらしい。
デンマークとノルウェーを交渉によって平和的に統一した事績にちなんで、複数の電子機器をつなぐ通信技術のBluetoothの語源となった。
出典 : ハーラル1世 (デンマーク王) | Wikipedia
Wikipediaにある通り、かつてのデンマークとノルウェーを平和的に統一したことにあやかってBluetoothの語源となりました。乱立する通信規格を統一するためにといった意味合いが含まれているようです。
ここでややこしいのが歴史上にハーラル1世という名の人物が2人いるということです。
- ハーラル1世 / 青歯王 / デンマーク初代国王・兼ノルウェー国王 ←こちらが正解
- ハーラル1世 / 美髪王 / ノルウェー初代国王
Bluetoothの語源といえば美髪王ではなく、デンマークの青歯王と覚えておけばいいでしょう。
赤外線通信との違い
私のようにガラケーを使っていた世代だとBluetoothより赤外線通信の方がなんだか聞きなれているような気がします。ガラケーのようにひと昔前の携帯で連絡先交換といえば赤外線通信が主流でした。
でも最近のスマホはBluetoothの機能のみで赤外線通信の機能自体がついていないものもあります。この場合、一体どのような方法で連絡先を交換すればいいのでしょうか。
使っている人の多いLINEで連絡先を交換するという方法もありますが、QRコードを事前に作成しておいてそれをその場で読み取ってもらうという方法があるでしょう。ビジネスシーンでメルアドを交換する場合はこのようにQRコードがいいかもしれません。
Bluetoothでスマホ同士をペアリングすることで交換できるようですが、試してみたらなんだか面倒に感じました。Bluetoothではスマホとヘッドフォン、マウスなど機器間の接続にむいているのでしょう。
このようにスマホの世界ではどんどん影が薄くなっている赤外線ですが、身近なところで皆さんが使っているものが赤外線でつながってたりします。赤外線というだけで赤外線通信ではないですが、誰の家にもあるテレビを操作するためのテレビリモコンです。
といってもBluetoothのテレビリモコンもありますので一概に「テレビリモコン=赤外線」とはいえない状況ですが、まだまだ赤外線の方が主流かと思います。
また、コンビニでスマホ内の写真データを転送する際にも赤外線通信が活躍してくれます。
何かと話題になった「Android Wear」や「アップルウォッチ」といった最新機能を搭載した時計の方はBluetoothです。
ここで本題のBluetoothと赤外線の違いです。どちらも無線通信の規格ですが、その特徴にははっきりとした違いがあります。
通信距離
Bluetoothと赤外線通信は他の通信規格のWi-Fiのように長距離の通信に向いていません。BluetoothのClass1という規格で100m前後の距離で通信できますが、通常は10m程度といったところでしょう。
赤外線通信はこの中で最も短く、30cm~1m程です。
方向性
テレビリモコンを想像してもらうとわかる通り、テレビリモコンは障害物があるとチャンネルを変えることができません。また赤外線が直線に届くという性質があるようで、しっかりテレビの方向に真っすぐ向けていないとこれもまたテレビリモコンが効きません。
それに対しBluetoothはWi-Fiのように方向を意識することなく通信することができます。障害物にも強いので、例えばスマホとワイヤレスヘットフォン間をつなげた時にスマホをポケットやバッグの中に入れた状態でもなんなく利用することができます。
通信容量
赤外線通信が4Mbpsで、Bluetoothが24Mbpsと通信距離、方向性に続きこちらもBluetoothに軍配が上がります。ただし、通信速度が常時低速のため大容量のデータ転送は厳しいのかもしれません。
そのためワイヤレスヘッドフォンを使用する場合は音質の劣化を気を付ける必要がありますが、でもそれは過去の話。今ではBluetoothの技術が向上してクリアな音声が実現できているようです。
バッテリーの消耗
こちらもBluetoothの方が優秀です。赤外線通信に比べバッテリーの消耗に影響が少ないのです。
Bluetoothで機器間をつなげたままの状態でも、全くつなげていないときに比べそれほど変わりありません。
まとめ
最後にまとめます。
Bluetoothは、機器間のデータ通信を行うための技術です。
赤外線とは「①通信距離・②方向性・③通信容量・④バッテリーの消耗」といった違いがあります。違いがわかれば赤外線通信よりBluetoothの普及が進んでいるのも納得です。
また、その語源は大昔のデンマーク王からきているというのがわかりました。『乱立する通信規格を統一する』という意味が込められています。
Bluetoothの技術は今も進歩していますし、これからもっとその用途が広がることでしょう。
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